【06】映像IOT矢板事故防止策 <情報化施工>

 

7.情報化施工

上記結果を踏まえて、現状の変位に対する適当な地盤物性を計算すると、設計の物性に比べてかなり低い物性を想定しないと、現状の変位があてはならないことが考察される。

また、仮に物性の評価が異なれば、原設計の根入れ不足も発生し転倒リスクが高まることは否めない。
特に上流部の計測結果からは、大汐のサイクルで発生変位の塑性化により残留変位が地盤中に蓄積され、地盤の破壊の進行が推察された。

そのため上流部の掘削による応力開放による地盤の緩みを迅速に改善する必要があり、上流部の工程先行により荷重負担を抑制する方策を講じている。

同時に、根入れ部の地盤に影響する水替え工に必要になる釜場の設置は、可能な限り鋼矢板から離し、掘削による地盤の剛性低下やポンプアップによる急激な限界勾配への配慮を徹底して施工管理している。


8.最後に

なお、今回の情報化施工により地盤の破壊挙動を予測ができたことと、早朝や休日で現場不在時でも、IOT化で異常値の発生を適宜映像で遠隔監視できたことが迅速な措置に繋がり最大リスクを回避できたこと意義は大きいと考える。


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2018年04月02日